債権回収の難しさ

中尾慎吾＠大阪弁護士会です。

債権回収というのは、要するに、お金の回収をすることです。貸金の場合もあれば、交通事故などによる損害賠償請求の場合もあります。

債権回収が難しいのは、たとえ勝訴判決を獲得できたとしてもなお回収できるとは限らないという点です。つまり、被告となった者に十分な資力がなければ、たとえ勝訴判決を獲得したとしても強制執行をすることができないのです。

当然ながら、国がかわりに支払ってくれるわけではありません。交通事故の場合には保険会社がかわりに支払ってくれることもありますが、通常は、誰もかわりに支払ってはくれません。

また、破産による免責許可決定を得られてしまうと、基本的には泣き寝入りせざるを得ません。

債権回収は、法的にどちらが正しいかという以上に、事実上の制約が大きい分野であります。理屈だけでは、解決できないのです。

「弁護士は最強のコンサルタントである」

中尾慎吾