Wi-Fiのタダ乗り行為について(刑法的考察)
考察、といっても、他の弁護士さんが検討しておられるサイトを発見したので、備忘録代わりにリンクを貼っておきます。
2013-12-05 - 奥村徹弁護士の見解(06-6363-2151 hp@okumura-tanaka-law.com)
結論としては、Wi-Fiのただ乗り行為については、不正アクセス禁止法は適用外で、電波法で対応していますので、それだけを検討すればよいでしょう。暗号通信を復号した場合でないと処罰されません。
アパートの隣人の無線LAN装置が「アクセス制御機能を有する特定電子計算機」になることは普通ありません。なので、、不正アクセス禁止法が適用される場面ではありません。
「アパートの隣人の無線LAN」にパスワードがかかっていたとしても、それを破っても、アクセス制御機能を有する特定電子計算機でないので、不正アクセス罪にはなりません。暗号通信を復号した場合に電波法違反になるだけです。
刑法の特別法である以上、処罰対象となる行為については、厳格に法定されています。処罰対象を厳格に法定しておかなければ、どういった行為が処罰の対象となるかが分からず、行動の自由が不当に制限されますからね。
まあ、全ての刑事法規が明確な文言のみで構成されているとは到底言えない部分もあるのですが……。
Wi-Fiのタダ乗りという事案は、ありそうでいて、それほどないのではないですか。普通はパスワードをかけますし。そういった点からも、パスワードのかかっていない他者のWi-Fiを無断で使用した場合においても処罰されないという結論は、妥当であると思います。
中尾慎吾
bengoshi.soudan@gmail.com